受診に関する質問
症状に関する質問
検査に関する質問
脳卒中に関する質問
外傷に関する質問
脳腫瘍に関する質問
認知症に関する質問
小児に関する質問
受診に関する質問
- 脳神経外科には、どのような症状や病気の時に受診すればよろしいでしょうか?
- 脳の病気は、病気の種類、場所によって様々な症状があり、ある一つの症状に特定することはできません。今までに経験したことの無いような頭痛、頭を怪我した時、手や足に力が入らない(麻痺している時)、しびれがある時などです。そして、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、脳卒中、脳腫瘍、水頭症などの病気でこれらの症状が出ることがあります。同じような症状でも、治療や手術が必要な場合と、お薬だけでよくなる場合があり、その判断には専門的な判断が必要です。心配な症状がある場合は、まずはお近くの医療機関を受診してください。
- 外来受診を予約できますか?
- 脳神経外科外来での予約診療は一部専門外来(DBS外来:毎月第2火曜日、てんかん外来:毎月第4水曜日)と他院紹介状をお持ちの初診の方に限定しております。外来予約をご希望の方は、順天堂静岡病院医療連携室もしくは脳神経外科外来にお問い合わせください。CT、MRIに関しては、直近3か月以内であれば予約可能です。担当医にお問い合わせください。
- 遠方からの通院が大変です。近くの病院を紹介してもらえますか?
- 病状が落ち着いている患者さんで、ご希望があればご自宅近くの病院、医院、クリニックなどにご紹介しております。ご希望の医療機関があれば、病院名や医師名を合わせて担当医にお申し出ください。特に医療機関の指定がなくても大丈夫です。担当医にお気軽にお問い合わせください。
- 脳や神経を診てもらいたいのですが、脳神経外科と脳神経内科のどちらに受診して良いかわかりません。
- 脳神経外科では、脳腫瘍や脳卒中の中でも手術が必要となる脳動脈瘤などの疾患を専門としているのに対して、脳神経内科では、パーキンソン病などの薬物治療が中心となる疾患を対象としています。症状だけでは、専門科を指定することは困難です。まずは、いずれかの診療科を受診してください。初診医が診察したうえで適切な処置をとります。場合により受付した科では無い場合もありますが、ご了承ください。また、あらかじめ病名が分かっている場合は、病院受付にお申し出ください。
- セカンドオピニオンについて教えてください。
- 他院にて治療中の方のセカンドオピニオンにも対応しております。お問い合わせいただく、病名、治療法などをご確認のうえ、セカンドオピニオン外来にお問い合わせください。脳神経外科専門医が対応し、当院での治療方針について説明いたします。
症状に関する質問
- 頭痛が心配です。
- 頭痛の多くは、片頭痛や肩こり頭痛(筋緊張性頭痛)ですが、まれに、脳腫瘍やくも膜下出血などの重大な病気が隠れていることがあります。毎日続くような頭痛であれば脳腫瘍の疑い、経験したことも無い激しい頭痛の場合はくも膜下出血を疑います。繰り返す頭痛や、長期におよぶ頭痛の場合には、脳神経外科や脳神経内科の専門医を受診してください。
当院では、毎週木曜日“頭痛外来”を開設しております。難治性の頭痛でお困りの患者さんは、頭痛外来を受診してください。
- 時々めまいがします。
- めまいの原因は様々で、グルグル天井が回るような回転性めまいの多くは、耳(内耳)が原因のめまいで、耳鳴りや聴力障害を伴う場合もあります。原因としてメニエール病、良性発作性頭位性めまい、突発性難聴などがあり、耳鼻咽喉科での治療が必要です。また、脳梗塞や脳腫瘍などの脳の病気が原因の場合も少なくありません。めまいの診断にはCTやMRIによる画像診断が必須です。再発するめまい症状がある場合は、当院をはじめとする専門病院の受診をお勧めします。
検査に関する質問
- CT検査やMRI検査について教えてください。
- 脳は、頭蓋骨という固いヘルメットに保護されており、外側から見たり(視診)、触ったり(触診)することができません。脳のことを調べるには、CT(コンピュータ断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像装置)による検査が一般的です。CTは、X線を用いた検査であり、外傷や脳卒中などで有用で脳神経外科では最も一般的な検査です。一方、MRIは磁気を用いた検査でありCTよりもさらに詳細な情報を得ることが可能です。また、MRI検査では、MRAと呼ばれる脳や頸部の血管を調べることが可能で、脳動脈瘤や脳動脈狭窄症の診断に用いられます。
検査は、病状に応じて担当医が選択しますが、ご希望の検査がある場合は、お申し出ください。ただし、CTは僅かな放射線被爆があり、MRIは心臓ペースメーカーなどの金属物が体内にあると行えない可能性がありますので、必ず検査前に申告してください。
- MRI検査をして欲しいのですが。検査の予約を変更したい。
- MRIが必要などうかは、患者さんの病状を判断のうえ、担当医が判断しております。場合により、CTを行う場合や、MRIが実施できない場合があります。希望する検査がある場合は、まずは病状を担当医にご相談ください。
当院では、できるだけ患者さんの希望に添える形で検査を計画しておりますが、すべての患者さんで即日(受診当日)に検査が実施できるわけではありません。必要に応じで緊急検査を行っておりますが、MRIの場合、原則予約検査とさせていただいております。検査予約を希望する場合は、ご都合をご確認のうえ受診してください。なお、急用による予約変更は電話連絡にて対応しております。お手元に診察券と予約表をご用意のうえ、脳神経外科外来にご連絡ください。
脳卒中に関する質問
- 脳卒中とはどんな病気ですか?
- 脳卒中とは脳の血管にまつわる病気の総称で、正式には脳血管障害に分類されます。脳卒中には、代表的な病気として、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の3つの疾患があります。脳梗塞は、脳の血管が詰まり血液が足りなくなる状態(脳虚血)、脳出血は、脳の血管が破れ脳内に血の塊ができる状態(脳内出血)、くも膜下出血は、脳動脈瘤と呼ばれる血管の瘤が突然破裂することで、突発性の激しい頭痛で発症する病気です。そのほとんどは、入院による緊急治療が必要な病気です。症状が出現したら様子を見ずに、直ちに最寄りの医療機関を受診してください。
- 脳卒中の症状を教えてください。
- 脳卒中とは脳血管の病気の総称で病気の種類、障害の場所により症状は様々です。特に下記に挙げる症状が疑われる場合には直ちに医療機関を受診してください。
- 片側の手足がうまく動かせない
- 顔面がゆがむ
- 呂律が回らない
の3つのうち1つでも症状があれば脳卒中の可能性があります。すぐに救急車を呼んでください。
- 血管にコブ(脳動脈瘤)があるといわれました。薬では治りませんか?
- 脳動脈瘤はくも膜下出血の原因となる非常に怖い病気です。ただし動脈瘤が破裂する前に治療できた場合、その治療経過はくも膜下出血とは大きく異なり、多くの症例で治療直後より社会生活復帰となり治癒します。しかしながら脳動脈瘤を縮小、消失させるお薬はありません。治療にはクリッピング術、コイリング術などを行う必要があります。治療方針は患者様毎に決定されます。まずは、脳神経外科専門医を受診してください。
- 親族にくも膜下出血になった人がいます。私も検査をした方がいいでしょうか?
- くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤の一部には家族性があることが知られており、くも膜下出血の家族歴がある場合には、年齢にもよりますが未破裂動脈瘤が発生している可能性があります。MRIなどの外来検査で診断可能です。ご心配の方は一度専門医を受診してください。
- 隠れ脳梗塞があるといわれました。血をさらさらにする薬が必要ですか?
- 隠れ脳梗塞とは、脳梗塞を原因とする症状がない“無症候性脳梗塞”が認められた際に診断されます。すべての患者さんに治療が必要なわけではありません。むしろ、血液サラサラ薬(抗血小板療法)を飲まないほうが良い場合も少なくありません。ただし、薬物治療の適応がなくとも定期的なMRI検査などによる経過観察は必ず必要です。放置せずに継続的に医療機関を受診してください。
- 脳梗塞には血液を溶かす特効薬があると聞きました。どこの病院で治療してもらえますか?
- 急性期血栓溶解療法は脳梗塞発症から4時間30分までに行う必要があります。時間との勝負ですので、手足の麻痺、言葉が出ない、呂律が回らないなどの症状が出現したら様子を見ずに受診するようにしてください。
この治療は脳出血などの合併症の可能性もあり治療できる病院は限られています。脳卒中が疑われたらすぐに救急車を呼んでください。救急隊に適切な病院へ搬送してもらえます。
- 脳梗塞は手術で治せますか?
- 脳梗塞によって失われた機能(運動麻痺など)を取り戻すのには多くの時間とリハビリテーションを要します。残念ながら、手術によってそれの機能を回復することはできません。しかし、薬物治療と手術を併用することで、脳梗塞の発生率を下げたり、脳梗塞の再発を未然に防ぐことができます。
ひとえに脳梗塞といっても多様な原因がありますので、まずは正しい診断を受けることがなにより重要です。
- CEAとCASの違いは何ですか?
- CEAとは、内頚動脈内膜剥離術のことです。一方CASは、内頚動脈ステント留置術のことです。いずれの治療も頸部内頚動脈狭窄症の治療として知られています。
CEAは、頸部で血管を直接切開し、狭窄病変を直接切除するのに対して、CASはカテーテルといわれる細い管を介して血管の内側にステント(金属製の網状の筒)を留置する方法です。CEAをCASの比較では、一般的にCEAの治療成績の方が良好ですが、近年CASの治療成績は、CEAと同等といわれるデータも報告されています。
順天堂大学静岡病院では、個々の症例に応じて治療方法を検討しております。治療法でお困りの場合、セカンドオピニオンにも応じております。病院にお問い合わせください。
外傷に関する質問
- 頭をぶつけたのですが。
- 軽微な外傷で、吐き気、意識消失を伴わない場合は問題ありませんが、軽微な外傷であっても、ご高齢の場合、血液さらさらのお薬(抗血栓薬)を飲んでいる方、アルコールを多く飲まれる方は頭蓋内に出血を起こす可能性があります。一度専門医の診察を受けてください。
脳腫瘍に関する質問
- 脳腫瘍にはどのような症状がありますか?
- 脳腫瘍の症状には、頭蓋骨という密閉された空間を腫瘍が占拠することによって引き起こされる脳圧亢進症状(頭痛、嘔吐、うっ血乳頭)や、腫瘍の出来た場所により麻痺や言語障害、視力障害などの症状、てんかん発作などがあります。
脳腫瘍特有の症状はなく、腫瘍の場所によっては脳梗塞と同様の症状や視野異常など眼症状を呈することもあります。
- 脳腫瘍はどうやって診断するのですか?
- 脳腫瘍の診断は、神経学的診察や、CT、MRIなどの画像検査、血液検査などのにより行われます。最終診断には、手術により脳腫瘍の一部を採取し、顕微鏡で組織を観察すること(病理検査)が必要となることが一般的です。近年では、手術支援ナビゲーションシステムや内視鏡手術など低侵襲手術にて診断確定を得る試みがされています。
- 脳腫瘍の治療法を教えてください。
- 脳腫瘍には多くの種類があり、それぞれで治療法が異なります。
原則として、手術療法に加え、悪性脳腫瘍には放射線治療や抗がん剤を併用する場合があります。
認知症に関する質問
- 最近、物忘れが激しいのですが?
- いわゆる認知症症状を呈する病気としてアルツハイマー病など聞いたことがあるかもしれません。しかし、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症など他にも原因となる病気があります。特に、急な“ボケ症状”が出た場合にはよく原因を調査し、CT/MRIを含めた総合的な診察により、治療によって治りうる認知症であるのかどうか、よく調べる必要があります。一度、脳神経外科外来を受診していただき、検査することをお勧めします。
- 治療可能な認知症があると聞きましたが、どういうことですか?
- 認知症をきたす疾患にはいろいろな種類があります。多くの場合は、治療困難で進行抑制のために内服治療が行われますが、認知症状をきたす疾患の中の、正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫などでは手術により症状の改善が期待できますので、外来を受診し医師に相談してください。
- 正常圧水頭症の特徴的な症状について教えてください。
- 特徴的な症状は歩行障害、認知症と尿失禁です。実際に髄液を腰部より抜いて症状の改善が得られると、手術で良くなる可能性はかなり高いです。2泊3日~3泊4日で検査もできますので、外来医師に気軽に相談してください。
小児に関する質問
- 子供のお尻から背中にくぼみがあるのですが。
- お尻の割れ目と別にくぼみがある場合、二分脊椎という病気が隠れている可能性があります。将来的に下肢の動きが悪くなる場合や膀胱直腸に障害が出る可能性があります。外科的治療により予防出来る場合があります。MRI検査が必要になりますので一度専門医の診察を受けることをお勧めします。
- 子供の頭の形が気になるのですが。
- 極端に頭部が大きい場合、水頭症という病気の可能性があります。頭の変形の多くは、正常範囲内の頭蓋骨変形ですが、まれに頭蓋骨早期癒合症と言われる病気が隠れている場合があります。一部に発達の遅れの原因となるものや、整容的に手術の適応になるものもあります。
- 深部脳刺激療法(DBS)について教えてください。
- 深部脳刺激教法(Deep Brain Stimulation:DBS)は、脳内に電気刺激装置を挿入し、持続的に神経に刺激を与えることで、神経症状を軽くする方法です。
現在、主にパーキンソン病の患者さんや本態性振戦と呼ばれる手が大きく震える病気に適応となります。順天堂大学静岡病院では、順天堂大学(本院)との連携のもとDBS専門外来を開設しております。外来日(予約可能)をご確認のうえ受診してください。
- 迷走神経刺激療法について教えてください。
- 迷走神経刺激療法は、難治性てんかんの症例に適応となります。薬物治療(抗てんかん薬)でてんかん発作の抑制が不十分な場合、有効なことがあります。
迷走神経刺激療法の留置には専門資格が必要となります。順天堂大学静岡病院では、順天堂大学(本院)との連携のもとてんかん専門外来(てんかん専門医)を開設しております。外来日(予約可能)をご確認のうえ受診してください。